マンスリー2012

2020年10月10日

何を忘れたか思い出せない
忘れたことすら忘れている

いろんなことが特別でなくなっていて
時々それに気が付いて

諦めることと失うことは同値ではない
と思う
1月

ベルが鳴る
目を逸らす
僕らの朝

額縁の向こうからやってくる新しい朝

凍てついた
体が光を待ちわびる
2月

見つめている
ずっと
それ

しっかり握っていて

細い声で
あなたの名前を呼ぶ
3月

それが君のディレクトリか
また変わったのか

新しくない方が
むしろ
壊れた方が

無遠慮な
女の足どもが行き過ぎる
4月

節電の薄暗いビルで君に会おう
換気口に 雷鳴

あれは
いつの誰の爆撃
誰の

椅子を引き
その音を聞く
5月

雨をあげるよ
虹が欲しい

あの坂道のようなアールで

傷ついた
指先に残る爪を噛む
6月

人生はバラ色?
未来は約束された?
わたしたちの将来に一点の曇りもない?

バイバイかなしいインディビデュアリスト

蒼ざめた
横顔にスクエアな日が差す
7月

なにか焼けるにおい

じりじり
(焦り焦り)
ちりちり
(散り散り)

まぶしくて
空の色が思い出せない
12月

創作