2024-09-28 新宿(井上 銘 3DAYS 昼夜6公演 井上銘×君島大空 デュオ@PITINN)
ピットインの昼の部初めてかも。吉増さんと大友さんいつも夜だったような。久しぶりだし昼だし思い切りきょろきょろしながら辿り着く。定員たぶん200くらいだよなあ……ゆっくりしよう。腹ごしらえしてマルイアネックスに入ると。
うしくんとカエルくんのおしゃべりぬいぐるみ良い……真剣に悩む。サンタさん、わたしうしくんもカエルくんも好きなの……返事がない。店内舐めるように見ているうちに14時過ぎてる。後ろ髪引かれる思いでピットインに向かう。
1階には人の姿は見えない。客入れ早いんだなあ。階段を降りて地下に向かいかけた時スマホの通知に気付くと。
あっ。ひょっとして今ナウですか。嬉しいのでまた写真撮っちゃう。
いいじゃないですかニアミス気分に浸っても。
中に入ると、わあ、お客さんぎっしり。5人じゃなくてよかったね(根に持つ)。カウンターの中は外国人のアルバイトさんだろうか、出されたジンライムをちびちびやりながら開演を待つ……待つ……
キスチョコカラフルで嬉しいー。麦チョコもよく冷えてる。せっかく後ろにいるんだから後ろなりに楽しむもんねー。そうこうするうちに開演、下手から登場したのが誰かもわかんないくらいなんにも見えない。ははー。酒とチョコと音を楽しむよー。
ギターデュオってどうなるんだろう、全編インプロビゼーションもありか?とか思っていたけど、鳴り出したのは音の……波……これふたりで弾いているのよな?静かな、陽の当たらないような低いところからゆっくり登ってくるような、眠っている何かが少しずつ目を覚まして伸びをするような。そのまま、あ、という方向に導かれていって、君島さんが歌い出したときは正直ちょっと驚いた。歌うんだなあ……「夜を抜けて」。自分が知っているのとは違う世界だ。これほんとにふたりで弾いているのよな?呼応というのとも違う、穏やかなんだけど途方もないところ同士で鳴っている音……とても嬉しそうに……美味しい。この音は美味しい。酒とチョコと美味なる音。これが現実でいいのか。井上さんの曲もありつつ君島さんのナンバー多め。ちょっと位置を変えて見たら君島さんがにっこにこだった。にっこにこ。ああー。音も嬉しかろうよこんなに愛されて。愛されてんなー。音。
途中で10分休憩、見知った顔の人がそこいらにいる、夜の部の演者さんとか。立ち見エリアに結構動きがあって空いた隙間に入ってみるとステージのグランドピアノが開いてる。さっきもこうだったっけ。最近誉められたというピアノを弾くこともあるのか?などと思いつつ第二部の始まりは君島さんの銃口……うわあ……これがまたすご……となっていたら前の方でどさっと具体的に人が倒れる音。じきにお店の人がやってきて倒れた人を外に運び出していった。演奏は途切れず続いて、少ししてから倒れた人は戻ってきてお店の人が出した丸椅子に腰かけてた。お店の人の対応が終始スマートだったなあ。みんなもっと飲み食いしていくといい。お店に感謝だよ。
井上さんがスペシャルゲストと言って登場したのは梅井美咲さんだった。うわー。三人で、というか三体で。ギターとピアノで縁取られた輪郭が向こう髪になって流れている……つやつやボブのお二人に挟まれた井上さんが吟遊詩人みたいで、なんだろうなメルヘン?ファンタジーかも知れない……こんなことってあるんだ……
その後だったか、井上さんが物販の紹介、色々あります、部屋を片付けていたら5年前のTシャツが出てきたのでこれもあります!と言うと、客席のクスクスのあとに「ラッキーだなあ…」と君島さん。あー。好き。こういうとこ好きです。本編ラストが都合だったんだけどこれがもう、音が喜んでて、「とってこーい」「わん!」「よーしよしよしワシャシャシャシャ」ってやってるみたいな、散歩犬が嬉しくて嬉しくて二三歩歩いては嬉しくてご主人さまの顔を見て嬉しい嬉しいしてるみたいな、井上さんと君島さんの間を音がかっけり回っている、そういう空間だった。時間すらあったかどうかわからない。アウトロがもう、「終わらせたくないねえ~」「終わるのやめましょう~」「終わって欲しくないねえ~」「もっともっとやりましょう~」みたいな感じで延々と。愛されてる。音が愛されてる。名残名残惜しい惜しいエンディング。アンコールには再び梅井さんが登場して、光暈……は……音しかない。音で呼吸して音で眠るような人たちなんだろう。音しかなかった。
ふわあーという終演後のざわめきの中なんとかトイレに行ってそれからステージの写真撮れるかしらと思ったらマーティーさんがもうステージに向かっていて、夜の部もいいだろうなーと思いつつ出口に向かおう、とカウンターに君島さん……わあああああああああああああ。いやでもしかしいや待てとかあわあわしていたら、こないだのシャングリラでも見かけた人が君島さんに話しかけていて、めっちゃ話しているその人の話をうんうん頷きながら聞いている君島さんの横顔を見て、はわーとなってそのまま出た。ああいうとき、何を話してるんだろうなあ。
そのあと、あちゃこちゃ寄り道して西武新宿の駅を目指したのが、地下から出てみたら、知ってるはずのになんだか違う景色になっていて、よく見る夢みたいに行きたいところが見えてるのに行けないみたいな、軽い失見当識みたいな感覚になってた。小田急があったところは猛烈なぶった切られ方をしていて、自分が知ってるものがどんどん消えていくのをこうやって見ていかなくちゃいけない現実とさっきまでの時間もなくなったような空間にいたことがないまぜになって色々なことを思い出したりしてちょっと途方に暮れていた、途方に暮れるって本当にあるんだなと思った。ユニカビジョンいっぱいに映る映像と音、それを見上げながら撮影してる人たち、それが自分の脳内の記憶や幻覚じゃなく今の現実に起きていることなのがなんだか凄かった。やっぱり新宿はなんだか凄くて。それから地元の駅前で飲み食いして帰った。〆のラーメンが沁みて沁みて沁みた。旨かった。
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