マンスリー2005

2020年10月10日

朝は隠し事をしている
背中が丸い

抱いて抱いて抱いて抱いて
抱きしめてほしい

薄暗い空に
新しい星が生まれる
1月

いてもいい?
ここに
あなたの眠るそばに

冷たい指に触れながら
春の夢を見る
そんな夢を見る

吐いた息が
昨日の約束を破らせる
2月

ゆらゆら
ゆらゆら
砂ぼこりの向こうに見え隠れする

お母さんに甘えられるのもあと少し

すれ違った
それが何か知りたくて振り向く
3月

割れた?
割れたよ
七色の沈黙が

目に見えない光は花粉に紛れてどこかへ消えた

鍵穴から
静かなファンファーレが降り注ぐ
4月

豊かな土地
豊かな緑
豊かな水

国はあってもなくてもいい

先端に
ささやかな傲慢が見え隠れする
5月

いつの間にか君は半袖だ
優しい雨がその腕を濡らすように

閉じた窓
開ける
ほんの少し

祈りのように
淡い冷たさを肌に纏う
6月

ノックする真実
たぶん そこにはあるんだろう
君が探してる何かが

いいこと
いいことだ

一度失くしたビコーズが
光りの速さで追いかけてくる
7月

雨露がしのげる
寝泊まりのできるところ
さえあれば

明日はどうにかなるだろう

脱け殻を辿って
見た事のない空に会う
8月

花に水
月に枕

もう少し眠ろう

足の下
折れた広葉樹がうめく
10月

創作