丁寧な暮らしというのはいつ頃から言われ出した言葉だろうか、十年前にはあった気がする。二十年前ならどうか。いずれにせよ、言葉としては現れなくても、実生活として「丁寧な暮らし」をしている人はいただろう。
丁寧の反対は雑かと思う。とりわけ丁寧ではなくても雑というのはあまり良しとされない。なんかかっこ悪い、みっともない、ちょっとねえ、と眉を顰められる。自分は大概雑に暮らしているがそれでも人前に出ようとするときなどはちょっとは見てくれを整える。少なくともその努力はする。
先日、とあるオンラインショップで買い物をした。品物はすぐに送られてきたがその有様が凄かった。雑。雑にもほどがあんだろ、と声が出た。客商売でここまで雑にやりやがるのは初めて見た、そのくらい凄かった。見事なほどに雑だった。
品物自体には問題がなかったのでそのまま受け取ったもののこの雑さ加減はしばらく心から離れることがなかった。どんだけだよ。つーか大丈夫か。ここの店主、店主でなければ発送担当。実店舗を構えているはずなのだが、機会があったとしても行くにはちょっと躊躇しそうだ、いや、どんな店構えでどんな面持ちで経営しているのか、見たくはないでもないでもないか。どうだろう。
そういう自分も見る人から見ればどこかしら雑で目も当てられないと思われているのかも知れない。と言って、他人の目を気にして体裁を繕おうとは思わないが、丁寧な暮らしとはいかないまでも、ちょっとは世の中との乖離ぶりを気にしてみようか、外からの見え方を確認しておこうか、と、そういう気にはなった。雑でいんじゃね、と思うところはそのままだろうけれども。にしても雑すぎた。あれ。大丈夫かマジで。

日々