マンスリー2012
何を忘れたか思い出せない
忘れたことすら忘れている
いろんなことが特別でなくなっていて
時々それに気が付いて
諦めることと失うことは同値ではない
と思う
1月
ベルが鳴る
目を逸らす
僕らの朝
額縁の向こうからやってくる新しい朝
凍てついた
体が光を待ちわびる
2月
見つめている
ずっと
それ
しっかり握っていて
細い声で
あなたの名前を呼ぶ
3月
それが君のディレクトリか
また変わったのか
新しくない方が
むしろ
壊れた方が
無遠慮な
女の足どもが行き過ぎる
4月
節電の薄暗いビルで君に会おう
換気口に 雷鳴
あれは
いつの誰の爆撃
誰の
椅子を引き
その音を聞く
5月
雨をあげるよ
虹が欲しい
あの坂道のようなアールで
さ
傷ついた
指先に残る爪を噛む
6月
人生はバラ色?
未来は約束された?
わたしたちの将来に一点の曇りもない?
バイバイかなしいインディビデュアリスト
蒼ざめた
横顔にスクエアな日が差す
7月
なにか焼けるにおい
じりじり
(焦り焦り)
ちりちり
(散り散り)
まぶしくて
空の色が思い出せない
12月
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