映画「君たちはどう生きるか」20230714

2024年1月27日

これが宮崎駿……

その日の朝、なんとなくTwitterを見たらジブリ公式アカウントの画像ツイートが流れてきていて、事前に公開されていた例の画像なんだけどツイートをクリックして見たらハッシュタグに絵文字のついたレスがついていて、「#米津玄師」と。あーそうか映画には主題歌というのがあるのかー、とまるでそんなことは考えていなかったので、そのこと自体に驚きつつ米津玄師か……という方に頭が向いて、終業後に無理なく行けるところの座席予約を済ませて。その後はSNS見なきゃいいもんねと気楽に思っていたらラジオの午後のニュースがご丁寧にあらすじを語りだしてぎゃーっとなったりしつつ。水仕事をしていたのでスイッチを切るのが遅れたけれどそんなのは何のキズにもならなかった、自分であれを見たら。

上映が終わって劇場を出るとき、××カップルが××解釈満載の××トークをまくしたてていて、あれ見たあとでこんな言葉が出るの本当にすげーななどと思いつつ階段を下りていた。

米津玄師の曲……丁寧に時間をかけて書いたのだろうなととても好ましく聞いたのだけれど、4年か、そうか……。個人的に猛烈に具体的な事柄を想起させるフレーズがあってぽろぽろ泣いていた。

映画は、具合が悪い時に見る終わらない夢みたいだった。次々と場面が変わって会話は会話のようでいてとりとめがなくて何も残らない。大きな船の形の乗り物に乗って左右にぶうんぶうん振られるやつ、あんな感じで揺さぶられる。前作「風立ちぬ」が至極まともな映画だったから、俺何やっとんねん、何まともなもの作っとんねんと思ったのかなと。これはまともじゃない、けれどとても真剣で誠実。立場を得た者としての誠実さ。それは米津玄師も同様で。

見ながら、先日読んだR18マンガ「出会って4光年で合体」を思い起こしていた、壮大なボーイミーツガールという意味では同じよね。こういう、時空を超えた物語が世に出る星回りなんだろうか。すごいなあ。

事前に一切の情報を出さなかったというのが見てなんとなくわかった気がしました、言葉にするものじゃないというか。どんな感想を持ったとしてもそれがその人の真実だということ。「君たちはどう生きるか」。ということ。