創作,美少女でべそ蘭

「はい、チャイムなってるよー、席に戻ってー」
 新一年生というのはかわいいものだ。一度声をかけるだけでざわざわしながらもみんな席に着くのだから。これがいつまで続いてくれることやら、と担任の手塚は軽いため息をついた。
  ...

創作,美少女でべそ蘭

運転手さんに捧ぐ

「きゃー、おへそが伸びてる!」
突然の悲鳴に蘭の両親は一瞬顔を見合わせ、慌てて二階に駆け上がった。
「どうした?」
「大丈夫?」
部屋の扉を開けるとベッドの上に蘭が座りこん ...

創作,美少女でべそ蘭

(ハイペさんの日記から)

東京駅に到着したのがかなり時間ギリギリだったので
速攻タクシーに乗り込む。
「すっごい急いでいます!ビッグサイトにお願いします!」と言うと
運転手さんがキラキラした笑顔で「 ...

創作

悪漢の腹にワンパン食らわせてずらかる体で映画館出る
居酒屋で丸椅子跨いでいる奴らサツかヤクザか借金取りか
後ろには予想もしない黒幕がいるのだこんな揚げ浸しにも
映画には人生すべて詰まってる君のあくびが止まらぬわ ...

創作

(一月三句)
年明けて打てやブンブンサテライツ
初日の出マッドカプセルマーケッツ
武道館終えてすっくと冬の薔薇

(二月三句)
立春が過ぎてからくる訃報あり
抜歯してバレンタインの腑抜 ...

創作

※7月と12月しかありません。

ショーウインドウに釣り針
釣り堀
釣り船
ガラス

ショーは始まらない

ここにない
蝉の脱け殻を幻視する
7月 ...

創作

ここは何処わたしは誰……はっ。

気を失ってる場合じゃない。ここはアパートの一階のベランダに置かれた鉢植えの上。あたしはミカの勝負パンツ。洗濯後のあたしを干そうとしてたミカの手からえいやっと飛び出して着地したショックで気を失 ...

創作

落ちる
僕ら
夢に

この寄る辺ない存在を証するもの

華やかな
終わりの扉が開かれる
1月

今しかない
今しかないと
何度言い聞か

創作

何を忘れたか思い出せない
忘れたことすら忘れている

いろんなことが特別でなくなっていて
時々それに気が付いて

諦めることと失うことは同値ではない
と思う
1月

創作

もういい
もういいと
声がする

もう終わらせてよいと
もう始めてよいという
声が

死んだ仔猫が
ガラス玉を抱いて眠る
1月

ファ