生まれる話
生まれてくる前の記憶ある人とかたまにそういう話を聞くじゃないですか、自分にはそういうの一切ないしその手の話聞いても、ほーん、としか思わないんだけど、母がよく「あんたはなかなか生まれてこなかった」とぐちぐち言うので、そんなこと言われたって生まれてくるときの話なんだからさと思っていたんだけど、母子手帳を見ても予定日より前じゃんって感じだったんだけど
母が亡くなったあと仏壇の引き出しを初めて開けてみたら過去帳が入っていて、あまり古いものではなかったのでこれは一時期宗教をやっていた時に用意したものではないかと勝手に思っているんだけど、そこに記されていたのが水子の記録で、いくつかあって、それを見た時の感情が、生まれてきてよかったとか生んでくれてありがとうとかいうのとはまったく違う何かで、なんてことしてくれたんだと、何を背負わされてくれてんだと、そういうのに近くて、でも、ああ、なかなか生まれてこなかったというのは、早く生まれてきてくれと、そういうことだったのではないかと、
だからと言って強く生きていきますとかは思うことはなくて何度か死のうとしたことはあるけどばかみたいな理由で頓挫していま生きている
生きてるんだよなあ
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