美しく疾く夕景(EP『音のする部屋』君島大空)
君島さんの音好き
なんて言ってる場合じゃねえ
君島大空が薙ぎ払おうとする何か を見ていたい、苦心惨憺七転八倒艱難辛苦千切っては投げ千切っては投げ悶絶絶叫阿鼻叫喚、百鬼夜行よろしく幽も明もの・み・こ・ん・で、そうして吐き出される何か、吐き出そうとする何か、を見ていたい、決して外には出してはいけない、見られてはいけないアレ、アレだよ
歌詞カード、でいいんだよな、4月2日に発売されたCDに入っている歌詞やクレジットが記載されている紙片。開いて「あ」と声が出た、この人は……どこからどこまで仕組まれているのだ、もういつからこの人の掌の上にいた?
除、WEYK、Death Metal Cheese Cake、釘、と、口を開けたまま息もしないでいる感じで、そこから迎にとぷんと落ちてLoverに打ち上げられ流れ着く、そういう体験で
序盤の疾走感、音もだけれど言葉の風を切る感じがどうしても『燃える』や『朝、狂って』を思わせる、はっきり言及されてもいるけれど
ぼくの意志
吉増剛造『燃える』
それは盲る(めしいる)ことだ
太陽とリンゴになることだ
似ることじゃない
乳房に、太陽に、リンゴに、紙に、ペンに、インクに、夢に! なることだ
凄い韻律になればいいのさ
ぼくは詩を書く
吉増剛造『朝、狂って』
第一行目を書く
彫刻刀が、朝狂って、立ちあがる
それがぼくの正義だ!
(中略)
アア コレワ
なんという、薄紅色の掌にころがる水滴
珈琲皿に映ル乳房ヨ!
転落デキナイヨー!
剣の上をツツッと走ったが、消えないぞ世界!
中学校卒業間際の頃、図書館に行きふと手に取った本が『吉増剛造詩集』(思潮社)というオムニバス形式の詩集でした。その中の「朝狂って」という作品に大きな衝撃を受けました。こんなナイフみたいな言葉や文章があるのかと。そして、とても映像的であることも鮮烈な印象でした。
80代の「現代詩人」の詩が若者世代に響く意味 吉増剛造さんの作品に影響を受けた若き音楽家 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン
「美しく疾く夕景」(Death Metal Cheese Cake)はここでは「はしくとくゆうけい」と発音されている、「美し」を「はし」と読むのは古語かなと検索してみると
近代以降の例ですが、「美し」と書いて「はし」と読ませた例があります。
北原白秋『邪宗門』魔睡・邪宗門秘曲「かの美(ハ)しき越歴機(エレキテル)の夢は」(1909)( 日本国語大辞典)
美しいを「はし」と読みますか。「うなじ美し」で「うなじはし」と読… – Yahoo!知恵袋
ここで『邪宗門』が出てくるか……
なんかもう無理だ。
セルフライナーノーツ、安易な答え合わせになるようなものではないのだろうな、でもあったら読むだろうな、でも読まずにとっておきたくもあるな、読めない手紙、になるかな
それまで、この美しく疾く夕景を心に留めておくしかないにゃんねえ……
(歌詞カードのことについてもっと言うと、開いて「あ」となったのに加えて、このEPはやはり『Lover』のための場所なのかと、置かれた言葉を見てそう思いました。
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