十二月

跪いて
(顔を上げて)
話して
(黙っていて)
夜がくると――
(朝になるから――)
澄ました耳に聞こえるものだけを聞いたんだ聞きたかったものを
(聞こえなかったでしょう)
そう
外は冬だなんて言ってみんな逃げるんだ
長い 長い 影を置いて

跪いて
(ここで)
話して
(全てを)
夜がくると――
(忘れるから――)
あの指の冷たさだけを信じなければいけない
信じなければ
いけない